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腰の痛み

腰椎は体全体を支える背骨(脊椎)の最も重要な部位 体のあらゆる動作に関わっています

腰の痛みは背骨(脊椎)に関わる異常となります。脊椎はいわば私たちの体の大黒柱です。骨に関する異常だけでなく、脊椎を支えている周りの筋肉部分で異常が起きると日常生活におけるさまざまな動作に深刻な影響を与えます。さらには全身に広がってゆく神経の通り道となる脊柱管(せきちゅうかん)部分で異常が起きると、下肢の痛みやしびれなどといった神経症状に悩まされるようになります。「腰」は体の要と書くように、私たちの体を支えている重要な部位のひとつです。異常を感じたらまずは早期に診察にお越しください。

腰椎のメカニズム

私たちの体は背骨(脊椎)によって支えられています。脊椎は首からおしりにかけて27~28個もの骨が連なってできており、そのうち腰部分は「腰椎」とよばれる5つの骨によって支えられています。脊椎の中には脳神経と直結する太い神経の通り道(脊柱管)があり、特に腰椎の脊柱管を貫くように走る1本の太い神経を「腰髄」と呼び、それが途中で枝分かれをして細い神経の束になったものを「馬尾神経」と呼びます。この部分に何らかの異常が起きると腰や下肢に強い痛みやしびれ、違和感を生じるようになります。

腰に異常を生じる原因

腰に痛みが起きる原因は大きく2つに分けられます。

骨で起きるトラブル

腰の骨(腰椎)の変形や、腰椎同士を繋ぐ椎間板や関節部分の障害・異常などによって痛みを生じます。

【脊椎変形によって起きる痛み】

背骨(脊椎)が変形を生じたり、圧迫骨折を生じることで痛みを生じます。圧迫骨折は特に骨粗鬆症の患者さまに多くみられる特徴があります。

例:側弯症・腰椎変性すべり症・腰椎圧迫骨折など

筋肉で起きるトラブル

腰回りの筋肉部分が損傷や炎症を起こすことで痛みが生じます。いわゆる「ギックリ腰」もこれにあたります。

主な症状

ぎっくり腰の治療腰の病気や障害は、まずは腰のどのあたりが痛むのか、どのような動きによって痛みが生じるのかなどといった詳しいお話を診察時に医師までしっかりとお伝えいただくことが大切です。

主な症状の例

・腰が痛い ・筋肉の張りを感じる ・筋力の低下を感じる ・姿勢が悪くなった
・下肢の痛み ・下肢のしびれ ・足に力が入らなくなる(麻痺)
・長時間歩くことができない ・尿が出にくくなる(膀胱直腸障害) 

などといった訴えが多くみられます。

下肢のしびれの多くは腰から足にかけて伸びる坐骨神経が圧迫や刺激を受けることによって起こります。また、背骨の神経が圧迫を受けている実際の箇所とかけ離れた部位に痛みが表れること(放散痛)もあります。そのため原因究明にあたっては、腰のどの部分がどのように痛むのかなど詳しい症状のご説明が重要となります。

 代表的な疾患

腰痛症

腰の筋肉を傷めたことで起きる疾患です。俗に言う「ぎっくり腰」がその代表格です。腰の筋肉が損傷したり炎症を起こすことによって強い痛みが現れます。長時間同じ姿勢や動作の開始時(起き上がる時、立ち上がる時など)に痛みを自覚することが多いです。

腰椎圧迫骨折

主に骨粗鬆症が背景にある脊椎(背骨)の骨折です。骨が脆くなると、しりもちをついたり、物を持ち上げたり軽い外傷や負荷で脊椎が潰れやすくなります。時に、重度の骨粗鬆症の場合は気づかない内に潰れることもあります(いつの間にか骨折)。

詳細は骨粗鬆症ページまで

腰椎椎間板ヘルニア、腰椎椎間板症

背骨(脊椎)には骨と骨との間に椎間板と呼ばれるクッションの働きをする軟骨が挟み込まれています。この軟骨が擦り減ったり、変性を起こすと強い痛みを生じます(椎間板症)。さらに腰に過度な負担をかけ続けると椎間板が靭帯を突き破るように飛び出し、神経の太い通り道(脊柱管)に影響を与えます(椎間板ヘルニア)。椎間板の飛び出しによって脊柱管内の神経が圧迫を受けると突然の強い痛みやしびれに襲われます。腰椎椎間板ヘルニアは幅広い年齢層の方で起こりやすい疾患です。多くの場合は保存的治療によって改善を目指すことができますが、重症の場合や強い痛みが残る場合には手術治療が必要となります。

腰椎椎間板ヘルニアMRI画像

腰部脊柱管狭窄症

加齢変化が原因となる疾患です。長期にわたって少しずつ進行する病気であり、靭帯の緩みや肥厚、背骨(脊椎)のズレなどによって徐々に神経の通り道(脊柱管)が狭まり神経が圧迫を受けるようになります。完治することはなかなか難しいですが、飲み薬やブロック注射などの投薬治療や、装具治療などを適宜用いて痛みの軽減を目指します。さらに体幹トレーニングや筋力アップなど効果的なリハビリテーションを加えて、症状が出にくい体作りを行うことも重要な課題となります。痛みが治まらない場合には手術治療をすすめさせていただくことがあります。

間欠性跛行 (日本脊椎脊髄病学会より引用)

当院の院長は長年にわたり脊椎の研究を続けているエキスパートな医師です

腰椎は背骨(脊椎)の一部です。当院の院長は10年以上にわたって脊椎を研究し続けているエキスパートな医師です。「日本整形外科学会認定整形外科専門医」「日本脊椎脊髄病学会認定指導医」「脊椎脊髄外科専門医」など数々の資格を有しており、専門性の高い知識と豊富な経験に基づいた精度の高い診断をお受けいただけます。専門医による確かな診断を受け、早期に正しい治療を行うことが何よりも重要となります。

 診断に必要となる各種検査について

腰に痛みがみられる場合には、まずは問診によって詳しい症状をお伺いした上で、原因がどこにあるのかを検査を用いて詳しく分析する必要があります。

レントゲン

骨の変形の有無など形状的な異常をはじめ、動作時の骨のぐらつき具合や無理な負担がかかりやすい構造になっていないかなども詳細に確認することができます。

MRI

脊柱管内部の神経の圧迫の有無や程度、筋肉など軟部組織や脊椎自体の炎症の有無などを精緻に分析できます。

骨密度検査

腰椎圧迫骨折や脊椎変形の場合、背景に骨粗鬆症が隠れている場合があります。その場合は痛みを緩和させる治療のみでなく、骨粗鬆症の程度を評価した上で治療にあたる必要があります。

治療について

安静を基本としながらも、異常が起きている箇所に対する適切な治療を加えます。

筋肉の損傷や炎症が原因となっている場合

必要に応じて患部にコルセットを使用するなどの装具治療、消炎鎮痛剤やブロック注射などの投薬治療を用いて痛みの緩和を図ります。また機器を用いた治療(物理療法)による局所の炎症除去や、代謝・血行促進を行うことで回復を促してまいります。

物理療法のページへ

骨の異常が原因となっている場合

保存的治療が原則となります。痛みを和らげるための薬物療法をはじめ、負担を分散させるためのコルセットなどの装具治療を行います。ただ、程度が重症の場合には手術治療が必要となります。腰椎圧迫骨折や骨粗鬆症が疑われる場合には、骨密度検査も行いカルシウムなどの内服や注射による治療も重要となります。→骨粗鬆症のページへ

各種リハビリテーション

効果的な物理療法や理学療法などを用いて、筋力アップや姿勢指導などの全身バランスの調整を行います。腰痛や腰部脊柱管狭窄症による神経痛は、体幹の柔軟性獲得や筋力を増強することで腰部の負担が軽くなり症状改善が見込めます。運動(リハビリテーション)療法は現在非常に注目されており、当院では患者さま一人ひとりの病態、状態にあったリハビリテーションプログラムをご提案させて頂きます。

ブロック注射

当院では各種ブロック注射を病態に応じて行っています。

トリガーポイント注射は、疼痛の原因となっている場所(トリガーポイント)が分かっている場合に、その局所へ抗炎症剤を投与する注射です。坐骨神経痛に対しては、脊柱管に薬剤を注入する硬膜外ブロック注射や、神経根に直接薬剤を入れる神経根ブロック注射が効果的です。当院では神経根ブロック注射を透視(レントゲン検査)を用いて行います。神経の元となる場所にダイレクトに薬を注射して痛みを和らげる方法です。どのブロック注射も外来レベルで安全に行える方法です。

当院では提携の高次医療機関へのご紹介も行っております

腰に異常が起きるとさまざまな動作にたちまち影響を与えることとなります。重度の場合には寝たきりの状態を余儀なくされることも多くあります。当院では近隣の高次医療機関と密に連携し、手術を要する重症度の高い患者さまの治療はもちろんのこと、さらに専門性の高い治療を必要とされるケースにおいても、タイミングをしっかり見極め柔軟に対応いたしております。

リモートワークの増加などにより若い世代にも腰痛が広がっています

昨今のリモートワークの増加によって、腰痛にお悩みの患者さまは若年層にも大きな広がりをみせています。腰は立っているときの姿勢よりも座っているときのほうがかかる負担が大きいことがバイオメカニクスの研究によっても証明されています。普段から正しい姿勢を心がけ、意識的に休憩を取ってストレッチを取り入れてみるなど、ご自身でできる改善に少しずつ取り組まれながらも、異常を感じたら早期に一度診察にお越しください。

 Q.病院に行くべきかどうか判断を迷う場合、何か目安はありますか? 

A.腰痛は誰もが日常的に感じやすい症状のひとつです。それゆえ病院に行くタイミングを計りかねていらっしゃる方は大変多いです。マッサージやストレッチなどを加えれば一時的に痛みは解消されますが、繰り返し症状が現れたり、ご本人が「痛い」と感じるならばそれはすでに治療が必要な段階と考えます。生活習慣の見直しや姿勢の改善など、根本的な部分での修正が必要かもしれません。また、安静にすべきか、逆に物理療法・運動器リハビリテーションなどを積極的に加えてより筋肉を増強させる必要があるのかなども、専門的な知識がなければ見極めは大変難しいものです。症状の程度や内容によっても治療方針は大きく変わりますので、ぜひ早期の段階で一度ご相談にお越しください。

 当院ではリハビリテーションにおいても力を入れて取り組んでおります

当院では専門医による的確な診断のもと、理学療法士によるリハビリテーションに力を入れて取り組んでおります。一人一人の患者さまの病態や症状にあわせてオーダーメイドのリハビリプログラムを作成し、専門的な知識に長けた理学療法士がマンツーマンで手厚くサポートいたしております。体全体のトータルバランスを考慮した効果的なケアを重視し、一人一人の患者さまの回復のペースに応じて納得度の高い診療内容のご提供に努めております。

リハビリテーション治療について

整形外科にお越しになられる患者さまの最も多いお悩みはまさに腰痛です

腰は体を支える中心であり、異常を感じると日常生活の中のさまざまな動作に深刻な影響を与えます。腰痛はなにも重労働な作業だけが原因になりやすいわけではなく、リモートワークの増加など社会的な変化によっても腰痛にお悩みの患者さまの数が急増しています。運動不足も重なり、体全体の筋力が低下すると肥満リスクも高まります。腰に対する負担がますますかかる状態を作り出すこととなるため、異常を感じられたら早期に改善のための対策を講じる必要があります。放置すれば頑固な痛みへと発展して、さらに治りづらい状態を招きます。腰だけでなく、背骨(脊椎)全体の変形や変性も考えられるため、一度詳細な検査を加えてご自身の状態を正しく知っておくことはとても重要なことです。

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