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ロコモティブシンドローム

ロコモティブシンドロームとは

ロコモティブシンドローム(locomotive syndrome:通称ロコモ、運動器症候群)とは、筋肉、骨、関節、軟骨、椎間板といった運動器のいずれか、もしくは複数の何かしらの障害が生じたことで、「立つ」、「歩く」といった機能が低下している状態をいいます。進行すると日常生活に何らかの障害が生じてきます。このような診断を受ける方は、このままでは介護が必要になったり、寝たきりになる可能性が高くなっている状態です。ちなみにロコモは、メタボリックシンドローム(メタボ)認知症と併せ、「健康寿命の短縮」、「寝たきり・要介護状態」の3大要因のひとつとなっています。

ロコモの原因になる疾患は色々ありますが、その多くは整形外科で治療の対象となっている疾患です。多くの場合は、加齢による筋量の低下(サルコペニア)やバランスの能力の低下などによって運動器が機能不全となる、あるいは運動器自体の疾患(関節や脊椎が変性する病気(変形性膝関節症、変形性脊椎症 など)、骨粗鬆症 等)などによって、筋肉、骨、関節、軟骨、椎間板などの部位に障害が生じることで、立つ、歩く、座るといった日常生活動作に支障をきたすといったことから起こるようになります。早い方であれば40歳頃から、そのような兆しがみられるようになると言われています。

健康寿命

健康寿命とは、日常生活を健康上の問題が無い状態で送れる期間のことを言い、平均寿命から健康寿命を引くと、男性は約9年女性は約12年です。

誰もが最後まで、健康でいきいきとした生活を送りたいと思っていますが、ロコモによって、自立度の低下や寝たきり、つまり要支援・要介護状態になってしまうことも少なくありません。要支援・要介護になる一番の原因は、実はこの運動器の障害なのです。
要介護や要介護(寝たきり)状態は、ご本人だけでなく、周りのご家族の方々にとっても問題になります。そのため、ご自身のためだけでなく、大切なご家族や友人の方々のためにも、運動器の健康を維持することが大切です。

「まだ若いから関係ない」?
若いうちからの運動習慣が重要です。

骨や筋肉量のピークは20~30歳代と言われています。骨粗鬆症 のページでも述べていますが、骨や筋肉は適度な運動で刺激を与え、適切な栄養を摂ることで強く丈夫に維持されます。弱った骨や筋肉では、40歳代・50歳代で身体の衰えを感じやすくなり、60歳代以降思うように動けない身体になってしまう可能性があります。特に運動習慣を持たない人はそのスピードも早く、運動器疾患に罹患する率も高い傾向にあるのも事実です。さらには筋力が低下するため骨や関節への負担が増え、変性・変形の進行へつながり、ロコモへと発展してしまうのです。

骨量の年齢変化の推移

あなたのロコモ度をチェック

最近、体の衰えをさらに自覚するようになった、平坦な道を歩いているだけで転びそうになるといったことを感じられている方は、ロコモティブシンドロームの可能性もあります。その場合は、日本整形外科学会公式のロコモティブシンドローム予防啓発公式サイト内の「ロコチェック」を参照し、あなたのロコモ度をチェックしてみましょう。ちなみに「ロコチェック」7項目の中でひとつでも該当するものがあれば、ロコモティブシンドロームの予防対策を行う必要があります。7項目の内容については、以下のようなものになります。

こんな状態は要注意! 7つのロコチェック

  1. 片脚立ちで靴下がはけない
  2. 家の中でつまずいたりすべったりする
  3. 階段を上がるのに手すりが必要である
  4. 家のやや重い仕事が困難である(掃除機の使用、布団の上げ下ろしなど)
  5. 2kg程度の買い物をして持ち帰るのが困難である(1リットルの牛乳パック2個程度)
  6. 15分くらい続けて歩くことができない
  7. 横断歩道を青信号で渡りきれない

予防対策にはロコトレを

~ロコモーショントレーニング~

ロコモの治療としては、原因疾患に対しての治療を行うことはもちろんですが、適度な運動をすることにより、筋力や関節の動きを維持もしくは増進していくことが大事です。
上記チェック項目から1つ以上該当するものがあった場合、0を最終的な目標として、ロコモーショントレーニング(ロコトレ:主な内容は、片脚立ち、スクワット、筋力トレーニング機器を用いた訓練 など)を行っていくようにします。なお、明らかな原因疾患があるという場合は、その治療をしていくことから始めていきます。

毎日の生活に「+10」の習慣を

ロコモトレーニングも重要ですが、やはり日々の生活の中で「身体を動かす」という意識をもっておくことが重要です。

  1. 自転車や徒歩で通勤する。
  2. エレべーターやエス力レーターではなく階段を使う。
  3. 掃除や洗濯はキビキビと。家事の合間にストレッチ。
  4. テレビを見ながら、ロコ卜レやス卜レッチ。
  5. 仕事の休憩時間に散歩する。
  6. いつもより遠くのスーパーまで歩いて買い物に行く。
  7. 近所の公園や運動施設を利用する。
  8. 地域のスポーツイべントに参加する。
  9. 休日には家族や友人と外出を楽しむ。
  10. 歩幅を広くして、速く歩く。

※そのほか、ラジオ体操、ご当地体操など、いろいろな運動がロコモ対策になります。

当院では患者さま一人ひとりのロコモ度に応じたオーダーメイドの運動器リハビリテーションを行っています

ロコモと診断された患者さま、あるいはその予備群であると指摘された方につきましては、個々の患者さまによって状態が異なるため、当院では個別の質の高い運動器リハビリテーションプログラムを考案、提供させて頂きます。筋力の強化、歩行訓練などを行い、バランス強化や歩行の安定性といった面を強化していきます。メニュー等につきましては、ぜひお気軽にご相談ください。

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